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年末調整の乙欄とは?対象外になる理由と掛け持ちパート・アルバイトの確認ポイント

年末調整の「乙欄」とは、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出していない人に使う、源泉徴収税額表の区分です。乙欄が適用される人は、原則としてその勤務先では年末調整の対象になりません。必要に応じて、本人が確定申告で所得税を精算します。

扶養控除等申告書を提出できる勤務先は1か所だけです。そのため、2か所以上で働く人の場合、メインではない勤務先の給与は乙欄になります。パート・アルバイトの多いシフトで働く現場では、とくに確認が必要な区分です。

甲欄・乙欄・丙欄は何が違うのですか?

給与から差し引く所得税は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表」で決めます。この表には3つの区分があります。

  • 甲欄:扶養控除等申告書を提出している人。扶養親族の数を反映して税額を計算し、年末調整の対象になります。
  • 乙欄:扶養控除等申告書を提出していない人。甲欄より高い税額で源泉徴収し、年末調整の対象外です。
  • 丙欄:日雇いの人や、2か月以内の短期雇用の人。日額表の丙欄を使います。

どの欄を使うかは、雇用形態ではなく申告書を提出しているかどうかと雇用期間で決まります。アルバイトだから乙欄、というわけではありません。

なぜ乙欄の人は年末調整の対象外なのですか?

年末調整は、扶養控除などの控除を反映して、1年間の所得税を勤務先で精算する手続きです。控除の情報は扶養控除等申告書で受け取ります。申告書が出ていない場合、勤務先は控除を反映した精算ができません。そのため、乙欄の人は年末調整の対象から外れます。

2か所以上で働く人は、メインの勤務先で年末調整を受けます。そのうえで、他の勤務先の給与と合わせて確定申告が必要になる場合があります。申告が必要かどうかは収入額などの条件で変わるため、個別のケースは税務署や税理士に確認してください。

乙欄になりやすいのはどんなケースですか?

  • 掛け持ち勤務:本人が別の勤務先に申告書を提出している。
  • 申告書の提出漏れ:勤務先が1か所だけでも、入社時に申告書を回収できていない。
  • 説明不足:スタッフが申告書の意味を知らず、未記入のまま放置している。
  • 外国人スタッフ:書類の内容が伝わらず、提出が遅れる。

2つ目のケースは見落とされがちです。本来は甲欄で処理できる人が、提出漏れだけで乙欄になります。その結果、毎月の手取りが減り、年末調整も受けられません。スタッフから「なぜ引かれる税金が多いのか」と質問されて、はじめて気づくこともあります。

甲欄・乙欄・丙欄はどう判定すればよいですか?

実務では、次の順番で確認すると判定を間違えにくくなります。

  • ステップ1:雇用契約が日雇い、または2か月以内か → はいなら丙欄の対象になり得ます(条件の詳細は国税庁の資料で確認)。
  • ステップ2:当社に扶養控除等申告書を提出しているか → はいなら甲欄です。
  • ステップ3:未提出の理由は掛け持ちか、提出漏れか → 掛け持ちなら乙欄。提出漏れなら本人に提出を案内します。

ステップ3で理由を確かめるのが大事です。理由を確かめずに乙欄で処理すると、提出漏れを見つける機会がなくなります。

多店舗運営で起きやすい失敗は?

店舗が多い企業では、申告書の回収を各店長に任せていることがあります。この場合、よくある失敗は次のとおりです。

  • 紙の申告書が店舗に残り、本社の給与担当に届かない。
  • 本社が申告書の有無を把握できず、乙欄のまま年末を迎える。
  • 同じ会社の別店舗にも勤務しているスタッフを、掛け持ちと誤って判断する。
  • 年末調整の書類回収の時期に、乙欄の人にも書類を配ってしまい、現場が混乱する。

原因は、個々の担当者のミスよりも回収の流れにあることが多いです。申告書を誰が回収し、いつ本社に共有するかを先に決めておきましょう。

入社時に確認しておくべきことは?

乙欄かどうかは、入社手続きの段階でほぼ決まります。次のチェックリストを参考にしてください。

  • 扶養控除等申告書を提出したか、未提出の場合はその理由は何か
  • 他の勤務先で申告書を提出しているか(掛け持ちの有無)
  • 雇用期間が2か月以内の短期契約か
  • 申告書の意味を、スタッフが理解できる言葉で説明したか
  • 回収した情報を、本社の給与担当がすぐに確認できる状態か

入社手続きと年末調整の電子化はどう役立ちますか?

紙での回収が課題なら、入社手続きをスマホで完結させる方法があります。人事CREWは、シフトで働く現場向けの入社手続きクラウドです。QRコードとスマホで手続きを進められ、多言語に対応しています。そのため、外国人スタッフも手続きを進めやすい設計です。モジュールとして年末調整の「年整CREW」を追加することもできます。

導入事例では、年末調整業務を最大93%削減したケースがあります。効果は、対象業務や測定条件、運用・環境によって異なります。

一方で、店舗やスタッフの数が少なく、紙での回収で困っていない場合は、今の運用のままでも十分なことがあります。また、乙欄にするかどうかの判断や確定申告が必要かどうかは税務上の判断です。システムを入れても、最終的には担当者や税理士による確認が必要です。

よくある質問

Q. 乙欄の人に年末調整の書類を配る必要はありますか?

A. 乙欄の人は、原則としてその勤務先では年末調整の対象外です。年末調整の書類を案内する前に、申告書の提出状況を確認しましょう。

Q. 年の途中で申告書が提出されたら、どうなりますか?

A. 提出後の給与からは、原則として甲欄で源泉徴収します。その年の年末調整の対象になるかどうかは、提出時期などで変わります。税務署や税理士に確認してください。

Q. 乙欄のほうが、引かれる税金は多いのですか?

A. はい。同じ給与額なら、乙欄の源泉徴収税額は甲欄より高く設定されています。ただし、確定申告で精算すれば、払いすぎた分が戻ることもあります。

Q. 勤務先が1か所だけでも乙欄になりますか?

A. 扶養控除等申告書を提出していなければ、乙欄になります。勤務先が1か所だけなら、提出を案内すれば甲欄に変更できます。

まとめ

  • 乙欄は、扶養控除等申告書を提出していない人に使う源泉徴収の区分です。
  • 乙欄の人は、原則としてその勤務先では年末調整の対象外です。
  • 乙欄になる理由が掛け持ちなのか、提出漏れなのかを分けて確認しましょう。
  • 多店舗では、申告書の回収の流れを整えることが、提出漏れを防ぐ近道です。

入社時の申告書回収や年末調整の書類回収に手間がかかっている場合は、どこまで負担を減らせるかご相談ください。入社手続きを整えることは、初出勤までの距離を縮めることにもつながります。

※源泉徴収税額表と年末調整の取り扱いは、国税庁の最新の公表資料をご確認ください。個別の税務判断は、税務署または税理士にご相談ください。


最終更新: 2026年10月5日

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