
「うちのパートスタッフ、年収103万円以下だけど年末調整の書類はどう書けばいいの?」——毎年11月〜12月、多店舗でシフト勤務のスタッフを抱える人事・労務担当者から、こうした問い合わせが本社に集中します。書き方そのものはむずかしくありませんが、店舗ごとに提出状況がバラバラ、記入漏れの差し戻しが往復する、というのが本当の悩みではないでしょうか。この記事では、2025年(令和7年)分の年末調整で、年収103万円以下のパート・アルバイトが提出する書類の書き方を整理し、担当者が回収・確認する際の注意点までまとめます。
結論:103万円以下でも「書類の提出」は必要
年収が103万円以下で最終的に所得税がかからない見込みでも、年末調整の対象になるパート・アルバイトは、原則として申告書の提出が必要です。「税金がかからないから出さなくていい」という誤解が、回収遅れの大きな原因になります。まずはここを現場に正しく伝えることが出発点です。
対象読者
- 飲食・小売・物流など、多店舗でパート・アルバイトを多数雇用する企業の本社人事/労務担当者
- 店舗でスタッフの書類回収を担う店長・エリアマネージャー
- スタッフから「書き方が分からない」と聞かれ、案内する立場の方
2025年分で提出する主な書類と書き方
年末調整で扱う申告書は、主に次の3つです。名称や様式は年によって変わるため、最新の正式様式は必ず国税庁の公表資料で確認してください。
1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
すべての対象者が提出する基本の書類です。年収103万円以下のパート本人が書く際のポイントは次のとおりです。
- 氏名・住所・マイナンバー(会社の運用に従う)・生年月日を記入する。
- 掛け持ち勤務がある場合、この申告書を提出できるのは1か所(主たる給与の勤務先)のみ。どちらをメインにするかを本人に確認する。
- 自分が扶養する家族(子どもなど)がいる場合は、該当欄に記入する。いなければ空欄で問題ない。
2. 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
基礎控除などを受けるための申告書です。パート本人の見積り年収(給与収入)と、そこから計算した所得金額を記入します。配偶者本人であれば配偶者控除等の欄は通常記入不要ですが、世帯状況によって扱いが変わるため、迷う場合は個別に確認しましょう。
3. 給与所得者の保険料控除申告書
生命保険料・地震保険料・社会保険料などを自分で支払っている場合に記入します。該当する控除がなければ、氏名等のみで提出します。控除証明書(保険会社から届くハガキ等)の添付・提示が必要です。
2025年(令和7年)は「103万円」の考え方に注意
近年、基礎控除や給与所得控除など、いわゆる「年収の壁」に関わる税制は改正の動きが続いています。適用される控除額や判定基準は変更される可能性があるため、金額の線引きを社内資料に転記する際は、その年に適用される最新の情報を国税庁または所轄税務署で確認してください。この記事では特定の改正後の金額は断定しません。担当者としては「103万円という数字だけを一人歩きさせない」ことが、案内ミスを防ぐ実務上のコツです。
記入時によくある差し戻しと予防チェックリスト
本社に修正依頼が集中する原因の多くは、複雑な計算ではなく単純な記入漏れです。回収前に次を案内しておくと、往復を減らせます。
- 押印・記名漏れ:署名欄が空欄のまま提出される。
- マイナンバーの記載ルール違反:会社の運用(記載要否)と不一致。
- 掛け持ち先での二重提出:扶養控除等申告書を複数の勤務先に出している。
- 控除証明書の添付忘れ:保険料控除を書いたのに証明書がない。
- 見積り年収の記入漏れ:基礎控除申告書の収入欄が空欄。
多店舗だからこそ起きる「回収」の課題
書き方以上に担当者を悩ませるのが、紙の申告書を店舗ごとに配布し、回収し、不備を確認して差し戻すという往復作業です。スタッフの入れ替わりが多いシフト現場では、対象者の把握だけでも手間がかかります。外国人スタッフが多い店舗では、記入案内を多言語で行う必要も出てきます。
解決策の選択肢
- 紙で運用を続ける:導入コストは低いが、多店舗・大量人数では回収と確認の負担が大きい。
- 汎用の年末調整ソフトを使う:電子化はできるが、店舗単位の権限分けやシフト現場特有の運用に合わないことがある。
- シフト現場に特化したクラウドを使う:多店舗・多雇用形態・多言語を前提に設計された仕組みで、回収と確認を効率化する。
人事CREW/年整CREW が適するケース
「入社手続きクラウド」の人事CREW は、シフトで働く現場向けに設計されたモジュール型SaaSで、年末調整の電子化を担う年整CREWを追加できます。次のような企業に向いています。
- 多店舗でパート・アルバイトを大量に抱え、店舗ごとの回収・確認に手が回らない。
- スマホで完結する申告書提出にしたい(入力時のバリデーションで、入力不備による差し戻しを削減)。
- 外国人スタッフが多く、多言語対応で手続きを進めやすくしたい。
導入事例では、年末調整業務が最大93%削減されたケースもあります(対象・測定条件により異なり、効果は運用・環境によって変わります)。一方で、単一店舗・少人数で紙運用でも負担が小さい場合や、既存の給与システムでの運用に不都合がない場合は、無理に切り替える必要はありません。自社の規模と運用に合うかを基準に判断してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 年収103万円以下なら年末調整の書類は出さなくてよい?
いいえ。所得税がかからない見込みでも、対象者は原則として申告書の提出が必要です。
Q. 掛け持ちしているパートはどう書く?
扶養控除等申告書を提出できるのは、主たる給与の勤務先1か所のみです。本人にメインの勤務先を確認してください。
Q. 2025年分で控除額は変わる?
税制は改正の可能性があります。適用される金額や基準は、最新の情報を国税庁でご確認ください。
Q. 外国人スタッフへの案内はどうすれば?
記入項目を平易に説明し、必要に応じて多言語で案内します。多言語対応の仕組みを使うと、担当者が手続きを進めやすくなります。
まとめ
- 103万円以下でも申告書の提出は原則必要。まずここを現場に周知する。
- 主な書類は扶養控除等申告書・基礎控除申告書・保険料控除申告書の3つ。
- 2025年分は「年収の壁」に関わる制度に注意し、最新情報を国税庁で確認する。
- 多店舗の本当の課題は書き方より「回収・確認の往復」にある。
店舗ごとの申告書の回収や不備確認に毎年時間がかかっているなら、年末調整の電子化でどこまで負担を減らせるか、一度ご相談ください。人事CREW/年整CREW の資料請求・お問い合わせを承っています。
※本記事は当社が独自に作成したものであり、記載の税務手続きは一般的な内容です。実際の記入・適用は最新の国税庁の公表情報および所轄税務署の案内をご確認ください。
最終更新: 2026年9月7日


